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□archer□

「どうした、士郎」
「……いい」
 突然士郎は俺を背中から抱きしめた。
 そして、顔を埋めたまま呟く。
「お前がいなくなるのはいやだ」
 ――――この、俺に体を許すのか。おまえは。
「パスを繋げれば、絶対に大丈夫だな」
「ああ、それこそどちらかに死が訪れるまで、変わらぬままであろう」
「……うん。お前に任せるから…」
 何故、そんな顔をする。……俺は……
「―――士郎」
 覚悟を決める。自分で言い出したことだ。
 俺は、この聖杯戦争を勝ち抜く。そして今回の異常の原因を突きとめる。
 ……覚悟を、決めろ。
「ア……チャ……ん」
 士郎の腕を解き、向かい合うように体を移動させ、唇を塞ぐ。まさか、過去の自分を犯す日が来るとは思わなんだ。
「……ちょ……まて……」
 たったこれだけのキスで、士郎は息苦しくなったらしい。
「待てるか。時間はないのだぞ」
 そう。時間がない。おそらく他のマスターたちは既に動き出しているはずだ。こちらも万全の状態にしておかないと。
 …ひょっとしたら、他にもエラーが起きているかもしれない。
何か、対応しきれないほどの、エラーが。

 士郎はといえば、もう立ってもいられないのか、ドサッと布団の上に座り込んだ。
「なんだ。これだけでこの様子か。まるで生娘じゃないか」
「う…るせ……」
 服の下へ手を滑り込ませる。すっかり着慣れた服故、すぐに上着を脱がすことは出来た。
「ぁ…」
「ここはもう随分やる気だな…」
 簡単に上半身への愛撫をすませ、下半身へと手を移動させる。ズボンを脱がし、下着越しに盛り上がっているソレを握る。
「…やっ……ぁ……」
 己のことだ。性感帯ぐらいは熟知している。
「あっ……!」
 一番のポイントへ差し掛かると、予想通り士郎は大きく反応を示した。
「……」
 俺も、こうだったんだろうか。
 俺自身はもちろん男同士などこれが初めてだ。
 でも、やはり男に抱かれていたら――
 こんなにいやらしい声を出したのだろうか?
「……本当に、いいのか?」
 最後通告。引き返すのなら今のうちだ、士郎。
「いい…て言ってん、だろ…」
 期待とは裏腹に、肯定の言葉を吐く。

 ――――わかった。

 俺の覚悟も決まった。これは、生きる為に必要な作業。士郎を敷かれている布団の上に押し倒す。
「…士郎。うつ伏せになれ」
 素直にうつ伏せになった。
 ……そんなに私が必要なのか。

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